オモシゴキャリアの編集チームです。株式会社オモシゴが運営し、「一人ひとりが自分の能力を100%発揮し、働くことにワクワクできる世の中にする」というミッションのもと、複業やキャリアに関する情報をお届けしています。5Mix井戸端会議では、複業を実践している人たちのリアルな対話をそのまま記事にしています。うまくいった話だけでなく、迷いや失敗も含めて、これからの働き方を考えるヒントになる言葉を届けていきます。
COLUMN 学習コンテンツ
前回(第23回)まで、SWOT分析で自分を棚卸しし、セグメンテーションとターゲティングで狙う市場を定め、ポジショニングで「選ばれる理由」を設計する流れを見てきました。ここまでで、戦略の方向性は決まったはずです。
けれども、戦略は実行されなければ何も生みません。そして実行に必要な資源のうち、増やすことがいちばん難しいのが時間です。お金は借りられますし、人の力も借りられます。しかし1日は誰にとっても24時間で、キャリア資本の蓄積は、その24時間のどこかを削って行うしかありません。
今回は、統計で見た生活時間の実態を出発点に、可処分時間をキャリア資本の蓄積へ振り向ける計画の立て方を扱います。
生活時間の実態を数字で見る
1日は3つに分けられる
総務省統計局の「社会生活基本調査」は、1日の生活時間を3つに分類しています<sub>※1</sub>。
1次活動は、睡眠・食事・身の回りの用事など、生理的に必要な時間です。2次活動は、仕事・通勤・家事・育児など、社会生活を営むうえで義務的な性格を持つ時間を指します。そして3次活動が、この2つ以外の、各人が自由に使える時間です。本記事で「可処分時間」と呼ぶのは、この3次活動にあたります。
有業者の可処分時間は1日約5時間
同調査の2021年結果によれば、有業者のうち日常生活に支障がない人(15歳以上)の生活時間は、週全体の平均で1次活動が10時間33分、2次活動が8時間25分、3次活動が5時間2分となっています<sub>※1</sub>。以下、この記事で「有業者の可処分時間」と書くときは、この区分の数値を指します。
働いている人の可処分時間は、平日も休日も含めてならすと、1日あたり5時間程度ということです。年間に直せば約1,800時間になります。まとまった量に見えます。
ただし、これはあくまで平均値です。子育て期の人、長時間労働の職場にいる人は、この水準を大きく下回ります。自分の実数は、あとで触れる行動記録で確かめるのが確実です。
その5時間の内訳
問題は、この5時間が何に使われているかです。3次活動5時間2分の内訳を見ると、休養・くつろぎが1時間49分、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌が1時間27分、趣味・娯楽が41分。これに対して、学習・自己啓発・訓練(学業以外)は7分です<sub>※1</sub>。
1日7分は、年間にすると約43時間。可処分時間の年間総量が約1,800時間ですから、学習に回っているのは2%強という計算になります。
10歳以上の人口全体で見ても傾向は変わりません。週全体の3次活動は6時間16分あり、そのうちテレビ・ラジオ・新聞・雑誌が2時間8分、休養・くつろぎが1時間57分、趣味・娯楽が48分に対して、学習・自己啓発・訓練は13分です<sub>※1</sub>。
過去1年間に何らかの学習・自己啓発・訓練を行った人の割合(行動者率)は39.6%で、5年前より2.7ポイント上昇しています<sub>※1</sub>。上昇はしているものの、裏返せば6割の人は1年間に一度も該当する活動をしていないことになります。
なお、この調査は2021年10月に実施されたもので、新型コロナウイルス感染症の影響下にあった時期の値です。行動制限の影響を受けやすい旅行・行楽などの数値は特に変動が大きく、数字を読むときは調査時期を念頭に置く必要があります。
「時間がない」の正体
こうして数字を並べると、「時間がない」という感覚の正体が少し違って見えてきます。可処分時間そのものは、平均で見れば1日5時間ある。ただ、その大半が休養と受動的な視聴に流れていて、学習に届いているのは7分だ、という配分の問題です。
もっとも、休養やくつろぎを削ればいいという話ではありません。1日8時間以上働いたあとの回復に時間が要るのは当然のことで、それを圧縮し続ければ健康を損ないます。ここで考えたいのは、5時間すべてを投資に回すことではなく、そのうちの一部を意識的に振り分けられないか、ということです。
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可処分時間を「消費」と「投資」に分ける考え方、3つのキャリア資本への時間配分と週間スケジュールの作り方、通勤時間という原資の見直し方、続かないときの立て直し方まで、統計を出発点にした実践プランを具体的に解説します。続きはログインしてご覧ください。
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出典
※1 令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の概要 — 総務省統計局。1次活動・2次活動・3次活動の定義と、行動の種類別生活時間(表1-1)、テレワークの実施の有無別生活時間(表3-3)、日常生活への支障の程度別生活時間・有業者(表3-4)、「学習・自己啓発・訓練」の行動者率(表1-1、第Ⅱ章)を収録。2021年10月調査、2022年8月31日公表。
※2 令和3年社会生活基本調査の結果 — 総務省統計局。調査の全体像と各結果表への入口。