オモシゴキャリアの編集チームです。株式会社オモシゴが運営し、「一人ひとりが自分の能力を100%発揮し、働くことにワクワクできる世の中にする」というミッションのもと、複業やキャリアに関する情報をお届けしています。5Mix井戸端会議では、複業を実践している人たちのリアルな対話をそのまま記事にしています。うまくいった話だけでなく、迷いや失敗も含めて、これからの働き方を考えるヒントになる言葉を届けていきます。
COLUMN 学習コンテンツ
前回(第21回)は、SWOT分析による自己の棚卸しを扱いました。自分の強み・弱み、機会・脅威を把握したら、次は「どの市場で勝負するか」を決める段階に入ります。
本記事では、マーケティング戦略のSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)をキャリア戦略に応用します。STPは、アメリカの経営学者フィリップ・コトラーが提唱したマーケティングの代表的なフレームワークです(※1、※2)。本記事ではSとT(セグメンテーションとターゲティング)を、次回の記事でP(ポジショニング)を解説していきます。
キャリアにおける「市場」とは
労働市場という視点
キャリアを考える上で、「労働市場」という視点は欠かせません。
自分のスキルや経験は、労働市場において「商品」のようなものです。企業(顧客)は、その「商品」を購入(採用)し、対価(給与)を支払います。
この視点に立つと、マーケティングの概念がキャリアにも適用できることが見えてきます。自分という「商品」を、どの「市場」で、どの「顧客」に向けて提供するかを戦略的に考えるのです。
社内市場と社外市場
労働市場は、大きく「社内市場」と「社外市場」に分けられます。
社内市場: 現在所属している組織内でのキャリア機会。異動、昇進、プロジェクトへのアサインなど。
社外市場: 転職市場。他の企業や組織でのキャリア機会。
プロティアン・キャリアにおいては、社内市場だけでなく、社外市場も常に視野に入れることが重要です。社内だけで通用する「社内スキル」に偏らず、社外でも通用する「ポータブルスキル」を蓄積していきます。
セグメンテーション
セグメンテーションとは
セグメンテーション(市場細分化) とは、市場を同質なニーズを持つグループに分割することです。
マーケティングでは、「すべての人に売る」ことは非効率とされます。市場をセグメントに分け、特定のセグメントに焦点を当てることで、効果的なマーケティングが可能になります。
キャリアにおいても同様です。「どんな仕事でもやります」という姿勢では、差別化できません。労働市場をセグメントに分け、自分が価値を発揮できるセグメントを特定します。
独立した当初、私も「何でもできます」と言いたくなる誘惑がありました。仕事が欲しいときほど、間口を広げたくなるものです。ただ、フリーランスの「フリー」は、タダという意味ではないとも思っていました。何でも引き受けて安売りするのではなく、価値を発揮できる領域を決める。そのかわり、決めた領域では惜しみなくギブする。実際に依頼が増えたのは、そうして領域を絞って発信を始めてからでした。相手の記憶に残るのは「何でもできる人」ではなく「◯◯の人」なのだと痛感しています。
キャリアにおけるセグメンテーションの軸
労働市場をセグメント化するための軸には、次のようなものがあります。
業界軸:
- 製造業、サービス業、IT、金融、医療、教育など
- 成長業界、成熟業界、衰退業界
職種軸:
- 営業、マーケティング、人事、経理、エンジニアなど
- 専門職、管理職、スタッフ職
企業規模軸:
- 大企業、中堅企業、中小企業、スタートアップ
- 上場企業、非上場企業
地域軸:
- 国内、海外
- 首都圏、地方
雇用形態軸:
- 正社員、契約社員、派遣社員
- フリーランス、独立起業
働き方軸:
- フルタイム、パートタイム
- オフィス勤務、リモートワーク
ここから先は会員限定です
労働市場を切り分ける6つのセグメント軸、ターゲット選定の5つの基準と3つの戦略、30代ITエンジニアの実践例まで、「狙う市場」の絞り込み方を具体的に解説します。続きはログインしてご覧ください。
未登録の方は、こちらから新規会員登録(無料)してください。
出典
※1 STP分析とは?マーケティングで重要な理由、やり方、注意点を解説 — 東大IPC。STP分析の概要と実施手順を解説した記事。
※2 STP分析 — 三菱UFJリサーチ&コンサルティング。STPをフィリップ・コトラー提唱のマーケティング手法として解説し、セグメンテーション(市場の細分化)・ターゲティング(参入市場の選定)・ポジショニング(位置関係の把握)の各定義を示した用語解説。