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COLUMN 学習コンテンツ
前回 第14回「キャリア資本論の全体像」では、キャリア資本の全体像を解説しました。本記事と次回(第16回)「ビジネス資本の強化戦略(探索編)」では、3つのキャリア資本のうち、最も直接的に「稼ぐ力」に影響するビジネス資本の強化戦略を扱います。
ビジネス資本の強化には、2つのアプローチがあります。既存の専門性を深める「深化」と、新しい領域を開拓する「探索」です。本記事では「深化」に焦点を当てていきます。
「深化」とは何か
知の深化の定義
第7回「自己成長とイノベーションを両立する『両利きのキャリア』」のなかで、「深化(Exploitation)」と「探索(Exploration)」という対の概念を紹介しました※1。
深化とは、既存の知識やスキルを磨き、卓越したものにすることです。同じ領域内での精度向上、効率化、専門性の深掘りが含まれます。
深化の対義語は「浅く広く」です。深化によって、その分野で「代替が効かない人材」になることを目指していきます。
深化の経済学
なぜ深化が重要なのでしょうか。これは、労働市場における希少性と関係しています。
経済学的に言えば、希少なものは価値が高くなります。専門性が深いほど、同じスキルを持つ人は少なくなり、市場での交渉力が高まっていくわけです。
ただし、深化には注意点もあります。市場で需要がない分野をいくら深化させても、経済的価値は生まれません。深化の方向性は、市場の需要と自分のアイデンティティの両方を考慮して決めていく必要があります。
ポータブルスキルと専門スキル
スキルの分類
ビジネス資本としてのスキルは、以下の2つに分類できます。
ポータブルスキル(汎用スキル): 業界や職種を超えて持ち運べるスキル。コミュニケーション、問題解決、プロジェクトマネジメント、リーダーシップなど。
専門スキル: 特定の業界、職種、技術領域に固有のスキル。プログラミング言語、会計知識、法務知識、特定の業界知識など。
両方の深化が必要
ビジネス資本の深化においては、ポータブルスキルと専門スキルの両方を深化させていく必要があります。
ポータブルスキルだけでは差別化できません。「コミュニケーション力がある」だけでは、市場での希少性は低くなります。
一方、専門スキルだけでは応用が効きません。特定の技術に精通していても、それを活かすコミュニケーション力やマネジメント力がなければ、価値創出に限界が出てきます。
理想的な組み合わせ: 高い専門性 × 高いポータブルスキル
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出典
※1 James G. March (1991). “Exploration and Exploitation in Organizational Learning.” *Organization Science*, 2(1), 71-87. https://pubsonline.informs.org/doi/10.1287/orsc.2.1.71
※2 Ericsson, K. A., Krampe, R. T., & Tesch-Römer, C. (1993). “The role of deliberate practice in the acquisition of expert performance.” *Psychological Review*, 100(3), 363-406.
※3 アンダース・エリクソン、ロバート・プール 著/土方奈美 訳『PEAK 超一流になるのは才能か努力か?』文藝春秋、2016年。エリクソン本人による「1万時間の法則」誤解への反論を含む。日本語解説は1万時間の法則とは?努力を続けるのに本当に必要なこと|STUDY HACKERも参照。
※4 Noel Burch, Gordon Training International. “Learning a New Skill is Easier Said Than Done.” https://www.gordontraining.com/free-workplace-articles/learning-a-new-skill-is-easier-said-than-done/