企業・自治体向けに、生成AIを現場で使うための研修・ワークショップを提供。複業・自律的キャリアで「一人ひとりが能力を100%発揮できる社会」を目指しています。株式会社オモシゴ代表。複業プログラム運営、プロティアン認定ファシリテーター。複業関連サービスの情報も発信中➡︎https://x.gd/XjbHM
COLUMN 学習コンテンツ
5Mix井戸端会議、第4回です。
前回は「直球アプローチ」「種まきの時間差」「人の繋がり」「へなちょこ直球」といったキーワードが出ました。今回のテーマは2つ。「AI時代に生き残る複業は?」 と 「行動する力を身につける方法」。
メンバーはいつもの3人に加えて、今回から河村さんが参加。会社員として企業の周年記念誌の編集・制作に携わっている方です。4人になって、ちょっと空気が変わりました。
台本なし、30分。今回もいきます。
目次
AIに「全部」は任せられない。でも「そこそこ」はもうできてしまう
最初のテーマを出したのは小林さん。AIの進化が速すぎて、副業で何が残るのかが気になる、と。
3日に1回ぐらいすごい進化のスピードの速さを感じて、昨日できなかったこと今日できるわとかって思ってるんですけれども、そしたら今まで副業でやってた例えばパワポの資料作りとか全てAIでできるので、どうなっていくのかなと
── 小林
中野さんは、自分の情報発信でAIをフル活用している一人。noteの記事はすべてClaudeが書いているそうです。ただし
クロードに投げる文脈とか経験とか哲学的な言葉っていうのは全部自分の経験から発した言葉を記録、提供していって、それを構成してくれて文章をつなげてくれる
── 中野
AIが書いてくれるのは「構成と文章」。でも中に入れる「文脈と経験」は自分にしか出せない。ここに二極化が生まれる、と中野さんは見ています。
AIを使いこなすプロと、それに情報を提供できる文脈とか経験を持っている人。この二極化が出てくるんじゃないか
── 中野
SEOライティングは「ガラッと変わった」
村中からは、自分が長年やってきたSEO記事の現場の話。
記事の書き方ってGoogleの評価に合うようなアルゴリズムに沿った書き方を考えないといけない。その時点で人よりも機械を見て記事書いてるっていう業界でもあった
── 村中
既存の記事を参考にして再編集してオリジナルを加える…SEOライティングの王道だったそのやり方を、AIがほとんどやれてしまう。業界自体が変わりつつある。
一方で、ライティングやWebデザイン、スライド作りは「なくなる」というよりも、副業としての種類が変わってきている。100点じゃなくていいから、まずコンセプトが分かるものをさっと作って始める。そういう仕事の進め方が増えている。
100点はいらないみたいな仕事はどんどんAIでやってスピード感早くやっていこう、みたいなことは増えてくるのかな
── 村中
「小林さんの仕事がなくならない理由」が面白かった
ここで小林さんから、コピーライターとしてのリアルな実感。
私が本業でしてるコピーライターの方の仕事は全く影響してなくて。インタビューは絶対自分の足でいくし。文字起こしとかをやってもらうけれども、すごいクオリティが上がりました
── 小林
AIに仕事を奪われるどころか、むしろ「助けてもらえる分だけクオリティが上がった」。インタビューに行って、質問して、人選して、原稿チェックして、クライアントと精査して…文字起こしだけAIに任せたところで、全体はAIでは回らない。
ちょっと面白い話がありました。クライアントや仕事仲間に「AIで仕事なくなったらどうしよう」と冗談交じりに言ってみたら、こんな返事が来たそうです。
多くの人が私に言ってくれるのは”絶対なくならないよ、小林さんは”。なんでって聞いたら”めんどくさいことするから”って
── 小林
めんどくさいことを嫌がらずにするからって。なんかめんどくさいことはまだAIはしてくれないのかもしれませんね
── 小林
これが今回の井戸端会議で一番刺さった言葉でした。「めんどくさいこと」をやる人が残る。
「フィニッシュは人間がやらないとダメ」
新メンバーの河村さんは、会社員としての視点から語ってくれました。
フィニッシュをやっぱり人間がやらないとダメな状態なんですね。簡単な資料整理とかにすごく役立ってるんで、逆にそういうのをメインの仕事にされてる方はしんどくなるのかなと思いますけれども、最後しっかりしたものにするというところではやっぱ人の手が今いるのかな
── 河村
もう一つ、河村さんが指摘したのは「肝のところ」の問題。
AI中心にやっていて肝のところが分かってないから判断ができない人がいてる。AIに頼らないでやるというのを経験しとかないと肝のところが分からないのかな
── 河村
AIを使いこなすには、まずAIなしでやった経験が必要じゃないか。さっき小林さんが言っていた「全体はAIでは回らない」という感覚と、同じことを別の角度から言っている気がします。
村中からも一つ、AIの「90点問題」という話が出ました。1つの仕事なら90点。でも連続したタスクを任せると、90%×90%×90%…で、最後は2〜3割の出来に落ちていく。
1個の業務のものはできるんだけど、残りの10%は人がちょっと毎回チェックするかなんかそれができるような仕組みにならないと、めんどくさい仕事はなかなかできない
── 村中
エフェクチュエーションは人間しかできない
中野さんが「AI時代に生き残る複業は?」というテーマをまとめてくれました。ブルシットジョブ(どうでもいい仕事)はAIに置き換わっていく。でも人間にしかできないことがある。
人間本来がやるべきことっていうのは、人とテーマをつなげるとか人と人をつなぐとか。このクレイジーキルトの原則っていうのがやっぱり人間しかできないもの
── 中野
人と人をつないで、そこから生まれる化学反応やミスマッチをカバーしていく。感情、感性、感覚、経験。中野さんが言う「クレイジーキルトの原則」(エフェクチュエーション:手持ちの手段から始める起業理論の考え方のひとつ)は、まさに人間にしかできない営みです。
AI時代に生き残る副業は、本当にやりたかったことを手掛けるっていうのが1番大事なんじゃないか
── 中野
「行動力が大事」に毎回戻ってくる。じゃあ、どうする?
後半のテーマは「行動する力を身につける方法」。小林さんの切り出しが率直でした。
毎回毎回ここの井戸端会議でやっぱり行動力が大事っていうことに戻ってしまいますねっていうお話をしてると思うんですけど、本当に素朴な疑問で、どうしたら行動できないのかが知りたくて
── 小林
失敗が怖い、現状を変えるのが嫌。そういう心理は多くの人に共通している。問題はその先で、じゃあどうやって最初の一歩を踏み出すか。
中野さんはまず「行動って何?」と定義を問い直します。小林さんの答えはシンプル。応募する、電話する、人に聞く、会いに行く。準備じゃなくて着手。
そして小林さんが語った自分の体験が、とても具体的でした。
私全くキャリアコンサルタントとか関係なくて、すごい狭い広告業界の世界で生きてたけど、突然なんかちょっと興味を持って中野さんのセミナーに行かしていただいたんです。すごい楽しくて、毎月毎月毎月毎月コロナまで行ってた
── 小林
セミナーに行ったらなんか大きなものに入会させられて36回コースとかって言われたらどうしようと思ったりもしてた
── 小林
行く前から心配していたけど、行ってみたら何も起きなかった。どんどん楽しくなっていった。そしてそこから人生が広がった。
行く前から心配するのはやっぱりナンセンスかなと思います
── 小林
「まず自分を癒す」。行動の前に必要なこと
中野さんの答えは、意外な角度からでした。
僕自身はその40代っていうのは多分”お前それ出た方がいいぞ”って言われても多分出れなかった。会社の仕事に縛られていて、心の余裕がないところが1番問題
── 中野
中野さん自身は、奈良巡りをして心が癒されていったことがきっかけで、ガチガチだったサラリーマンの考え方から抜け出せた。3〜4年かかったそうです。
まず自分が何か心を本当に癒せるものを見つけて、それにちょっと没頭した時期があって、初めて1歩抜け出すことができるんじゃないかな
── 中野
ちっちゃな一歩も大きな一歩も、本人にとっては変わらない。サラリーマンの方で”そんなこともできないの”っていうことが、彼らにとっては本当に大きな一歩っていう感覚だと思う
── 中野
いきなり「行動しろ」は難しい。まず癒し。そこから余裕と好奇心が出てくる。順番が大事だという話でした。
「中小企業診断士を目指します」
河村さんから、小さな宣言が出ました。
ちょっとね、勉強を始めてまして。資格を取ろうかなと思って。中小企業診断士を来年の試験を受けようかなと
── 河村
通らなくてもそこで勉強したことは役に立つかなと思って
── 河村
来年の試験に向けて。この「小さく宣言する」がまさに行動の一歩目。小林さんも「メビックのセミナーで、グラフィックデザイナーから中小企業診断士になった方のインタビューをしたことがある」と即座に返して、場が温かくなりました。
村中からも、「僕もプログラミングや数学をやろうやろうと言いながら去年はほとんどできてなかった。でも誰かがやってると自分も頑張ろうって気になれる」という話が出ました。コミュニティの力が、ここでも効いていました。
第4回を終えて
第4回の井戸端会議から見えてきたキーワードです。
1. めんどくさい仕事 — AIがやれないことをやる人が残る。小林さんの「めんどくさいことするから」が象徴的
2. 90点の罠 — 1タスクは90点。連続すると質が落ちる。最後の10%を見極めるのは人間の仕事
3. 癒しからの一歩 — 行動の前にまず心の余裕。中野さんの「奈良巡りで3年かけてデトックス」
4. 準備中からの脱却 — 調べるのは準備。応募する、電話する、会いに行くが「行動」
5. 小さな宣言 — 河村さんの「中小企業診断士を目指す」。コミュニティで宣言することが背中を押す
4回目にして、ようやく「行動が大事」の先にある「じゃあどうやって動くのか」に踏み込めた気がします。まず癒す、そして小さく宣言する。順番が大事だという話は、すぐに動ける人にとっては当たり前でも、動けない人にとっては大きなヒントになるんじゃないかと思いました。
5Mix井戸端会議は、AI時代の副業・働き方について それぞれの現場から持ち寄ったリアルな話を交わす場 として、これからも続けていきます。
次回もまた、リアルな話をお届けします。お楽しみに。
今日の話を読んで、何か動きたくなった方へ。
5Mix井戸端会議では、こうした本音の対話を続けています。次回から参加してみたい方は、オモシゴキャリアへの会員登録(無料)が入り口になります。