オモシゴキャリアの編集チームです。株式会社オモシゴが運営し、「一人ひとりが自分の能力を100%発揮し、働くことにワクワクできる世の中にする」というミッションのもと、複業やキャリアに関する情報をお届けしています。5Mix井戸端会議では、複業を実践している人たちのリアルな対話をそのまま記事にしています。うまくいった話だけでなく、迷いや失敗も含めて、これからの働き方を考えるヒントになる言葉を届けていきます。
COLUMN 学習コンテンツ
「新しいサービスを始めたいけど、うまくいくかわからない」
「大きな投資をして失敗したら怖い」
今日は、「小さな実験」を繰り返すという考え方をお伝えします。
複業は、一発勝負ではありません。小さく試して、学んで、また試す。このサイクルを回していくことが、成功への近道です。
~ 今日のお便り ~
まずは、よく届く悩みから。
「新しいメニューを追加したいのですが、需要があるかわかりません。
ホームページを作り直したり、告知したりする前に、
うまくいくかどうか確かめる方法はありますか?」
この悩み、すごく多いです。
答えは簡単。「本格的にやる前に、小さく試す」です。
第8回で紹介した「許容可能な損失の原則」を思い出してください。「失敗したとして、失っても大丈夫な範囲はどこまでか?」。この問いを常に持ちながら動くことで、大きなリスクを取らずに前に進めます。
「実験」だから失敗してもいい
「実験」と考えると、気持ちが楽になりませんか?
実験の目的は、「うまくいくかどうかを確かめること」です。
うまくいったら、そのまま続ける。
うまくいかなかったら、それは「失敗」ではなく「この方法ではうまくいかないことがわかった」という学び。
次の実験に活かせばいいんです。
科学の実験と同じです。仮説を立てて、試して、結果を見る。結果がどうであれ、そこから学べば次に繋がります。「失敗」という言葉を「学び」に置き換えるだけで、前向きに動けるようになります。
ある参加者の話 → 出版社に断られて、別の方法を探す
ここで、一つのケースを紹介します。実際にいただいたご相談をもとに再構成した、架空の参加者の話です。
登場するのは30代の男性。「絵本を出版したい」という夢がありました。
夢は大きい。でも、最初から完成形を目指すと、お金も時間もかかりすぎる。そこで彼が考えたのが、「小さく始める」ことでした。
最初は出版社に企画を持ち込みました。でも、自費出版の場合は費用が高額になることもあり、断念。
「じゃあ、別の方法を探そう」
彼が取った「小さな実験」は、知り合いの紙芝居師と組んで、その方の作品を絵本化するサポートをすること。
自分の絵本を売るのではなく、まずは「プロデューサー」として実績を作る方向に切り替えた。費用もほとんどかからない方法で、「絵本を作る」という経験を積み始めました。
大きな投資をして自分の絵本を出すのではなく、小さな実験から始める。この発想の転換が、彼を前に進めました。
その後、紙芝居師さんの絵本がクラウドファンディングで反響を得ました。その経験を元に、今度は自分の絵本企画も動き始めています。最初から大きな費用をかけていたら、ここまで来られなかったかもしれません。
「自分の夢」にこだわりすぎず、「まず経験を積む」ことに舵を切った柔軟性。これがエフェクチュエーションの真髄だと、私は感じています。
小さな実験の具体例
どのくらいが「小さな実験」なのか、いくつか例を挙げてみます。
| やりたいこと | 大きな一歩(リスク大) | 小さな実験(リスク小) |
|---|---|---|
| 新サービスを始めたい | ホームページを作り込む | SNSで「興味ある人いますか?」と聞く |
| 講座を開きたい | 会場を借りて告知する | まず1人に無料でやってみる |
| 価格を上げたい | 全顧客に一斉告知 | 次の新規顧客から新価格で提案 |
| オンライン化したい | システムを導入する | まず1人だけZoomでやってみる |
| 新しい顧客層を開拓したい | 広告を出す | 知り合いに「こういう人いない?」と聞く |
| 教材を作りたい | 完成品を作ってから公開 | 1章だけ作って反応を見る |
共通しているのは、「お金と時間をかける前に、反応を確かめる」という姿勢です。
「ホームページを作り込む」のは大変な作業です。でも、SNSで「こういうサービスを考えているんですが、興味ある方いますか?」と投稿するだけなら、5分でできます。反応がなければ、そこで立ち止まって考え直せばいい。
小さな実験は、方向転換のコストを最小限にしてくれるんです。「やってみたけど違った」と気づいた時、損失が小さいほど、次の一歩が軽くなります。
落とし穴:「実験」を言い訳にしない
ここでよくある落とし穴があります。
「まだ実験だから」と言い続けて、いつまでも本気を出さないパターン。
小さな実験は、「本気を出すための準備」です。実験の結果を見て、「これならいける」と思ったら、次のステージに進む勇気も必要です。
「いつまで実験するか」の期限を決めておくと、ダラダラ続けることを防げます。
「3回やってみて手応えがあったら本格化する」「1ヶ月試して需要がなければ別の方向を探す」。こんな風に、自分なりの基準を持っておくといいでしょう。
期限があると、集中して取り組めます。逆に期限がないと、「いつでもできる」と思って先延ばしになりがちです。
実験には「やめどき」も必要です。うまくいかなかったら、潔く次の実験に移る。その切り替えの早さが、成功への近道になることもあるんです。
今日からできるワーク(記入例つき)
紙でもスマホでもOK。10分で書いてみましょう。
記入例
| 問い | 答え |
|---|---|
| 今、気になっていること・試したいことは? | 例:オンラインでのキャリア相談をやってみたい |
| それを「小さな実験」にするなら、何をする? | 例:知り合い1人に「Zoomで30分、相談に乗らせて」とお願いする |
| 失っても大丈夫な範囲は?(時間・お金・労力) | 例:30分の時間、Zoomは無料プラン |
| いつまでにやってみる? | 例:今週末までに声をかける |
あなたの番
| 問い | あなたの答え |
|---|---|
| 今、気になっていること・試したいことは? | |
| それを「小さな実験」にするなら、何をする? | |
| 失っても大丈夫な範囲は?(時間・お金・労力) | |
| いつまでにやってみる? |
「小さな実験」は、思い立ったらすぐ始められるのが理想です。今週中、できれば今日中に何か一つ動いてみる。そのスピード感が、前に進む推進力になります。
「いつまでにやってみる?」を書くことで、行動に移しやすくなります。
次回予告
第3部も、いよいよ最終回です。
これまでの実践プロセスを総括します。キーワードは「走りながら考える」。
計画より行動、完璧より実験。そんなエフェクチュエーションの精神で、複業を前に進めていきましょう。
第18回「第3部まとめ|『走りながら考える』勇気」
お楽しみに。