オモシゴキャリアの編集チームです。株式会社オモシゴが運営し、「一人ひとりが自分の能力を100%発揮し、働くことにワクワクできる世の中にする」というミッションのもと、複業やキャリアに関する情報をお届けしています。5Mix井戸端会議では、複業を実践している人たちのリアルな対話をそのまま記事にしています。うまくいった話だけでなく、迷いや失敗も含めて、これからの働き方を考えるヒントになる言葉を届けていきます。
COLUMN 学習コンテンツ
「好きなことを仕事にしたい。でも、それで本当に稼げるの?」
「趣味は趣味のままでいいんじゃない? 仕事にしたら嫌いになりそう」
今日は、そんな”好き×お金”のモヤモヤを整理するための考え方をお伝えします。
大事なのは、「好き」だけでも「稼げる」だけでもダメということ。4つの要素がバランスよく重なるところに、長く続けられる複業のヒントがあります。
それを整理するのが、今回ご紹介する「Ikigaiフレームワーク」です。
~ 今日のお便り ~
まずは、よく届く悩みから。
「好きなことはあるんです。でも、それでお金がもらえる気がしない。
結局、需要のあるスキル(プログラミングとか)を学ばないとダメですか?」
この悩み、本当に多いです。
「好きなこと」と「稼げること」は別物だと思っている人が多い。でも、それは両方を同時に考えていないからなんです。
Ikigaiフレームワークを使うと、「好き」と「稼げる」の接点が見えてきます。しかも、それが「社会のニーズ」や「自分の得意」とも繋がっているかどうかをチェックできる。順番に見ていきましょう。
Ikigaiフレームワークとは → 4つの円が重なる中心を探す
「Ikigai(生きがい)」は、海外でも “Ikigai” として紹介されることが多い日本語です。
海外でよく紹介されるIkigaiフレームワークは、私の見てきた範囲では、4つの円が重なるベン図で表現されることが多いです(※日本での「生きがい」の使われ方とは少し異なる、海外で独自に発展した図式のようです)。
4つの円とは:
- 好きなこと(What you LOVE)
- 得意なこと(What you are GOOD AT)
- 社会が必要としていること(What the WORLD NEEDS)
- お金になること(What you can be PAID FOR)
この4つすべてが重なる中心に、心から満足できる仕事のヒントがあるという考え方です。
4つの円を一つずつ見てみよう → LOVE/GOOD/NEEDS/PAID
1. 好きなこと(What you LOVE)
第1回の「アソビジョン・クエスト」で探った部分です。時間を忘れて没頭できること、やっていて楽しいこと。
問い:お金がもらえなくても、やりたいと思えることは何?
2. 得意なこと(What you are GOOD AT)
第3回の「手中の鳥」で棚卸しした部分です。人から「うまいね」と言われること、苦労せずにできること。
問い:周りの人より、少しだけ上手にできることは何?
「少しだけ」で十分です。プロレベルである必要はありません。
3. 社会が必要としていること(What the WORLD NEEDS)
その活動が、誰かの役に立つかどうか。大げさな「社会課題」でなくていい。「隣の人が助かる」レベルで十分です。
問い:その活動で、喜ぶ人は誰?
4. お金になること(What you can be PAID FOR)
その活動に、誰かがお金を払う可能性があるかどうか。今すぐ払ってくれる人がいなくても、「将来的に払ってもらえそうか」で考えます。
問い:この価値に、お金を払う人はいそう?
円が重なるところに何がある? → 情熱・使命・専門性・天職
4つの円が重なる部分には、特別な意味があります。
| 重なり | 名前 | どんな状態? |
|---|---|---|
| 好き × 得意 | 情熱 | 楽しくて上手。でも、稼げないかも |
| 好き × 社会のニーズ | 使命 | やりがいはある。でも、得意じゃないかも |
| 得意 × お金になる | 専門性 | 稼げる。でも、楽しくないかも |
| 社会のニーズ × お金になる | 天職 | 必要とされている。でも、自分がやる意味は? |
どれか一つだけだと、長く続けるのがしんどくなります。
「好きで得意だけど稼げない」→ 趣味のままで終わる
「稼げるけど好きじゃない」→ 本業と同じ苦しさになる
「社会に必要だけど自分が楽しくない」→ 燃え尽きる
だから、4つすべてが重なる部分を探すことが大事なんです。
ある参加者の話 → 元製造業のスキルが活きた
ここで、一つのケースを紹介します。実際にいただいたご相談をもとに再構成した、架空の参加者の話です。
登場するのは50代の男性。もともと製造業の会社で品質管理をしていました。今は独立して、研修講師をしています。
最初、彼は「研修講師なんて、話がうまい人がやるもの」と思っていました。自分は口下手だし、製造業の経験しかない。
でも、Ikigaiで整理してみると、こうなりました。
好きなこと:データを見て「なるほど」と発見すること
得意なこと:統計分析、Excelでのデータ整理
社会のニーズ:中小企業は「データを見る習慣」がない。でも、見れば改善点が見えることが多い
お金になる:組織診断やマーケティング支援として、企業が予算を取る分野
こうやって並べてみると、「製造業の現場で培った統計スキル」が、他の研修講師との差別化ポイントになることがわかりました。
「話がうまい講師」はたくさんいる。でも、「データを使って現場の課題を可視化できる講師」は少ない。
彼のIkigaiは、「製造業経験 × 統計スキル × 中小企業の改善ニーズ」の交点にありました。
落とし穴 → 最初から4つ全部を求めない
ここでよくある落とし穴があります。
「4つ全部が重なるものなんて、見つからない」
「好きなことはあるけど、稼げる気がしない。やっぱり無理か」
ちょっと待ってください。最初から完璧に4つが揃っている必要はありません。
たとえば、最初は「好き × 得意」の2つだけでスタートしてもいい。やっているうちに、「こういう人が喜んでくれるんだ」(社会のニーズ)がわかってくる。そのうち、「お金を払ってでも頼みたい」と言われるようになる。
Ikigaiは「最初に完璧な答えを出す」ツールではなく、「今、どこが足りないか」を把握するためのツールです。
今日からできるワーク(記入例つき)
紙でもスマホでもOK。15分で書いてみましょう。
ステップ1:4つの円を埋める
| 円 | あなたの答え |
|---|---|
| 好きなこと | 例:文章を書くこと、人の話を聞くこと |
| 得意なこと | 例:要点をまとめる、複雑なことを整理する |
| 社会が必要としていること | 例:「自分の考えをうまく言葉にできない」と困っている人が多い |
| お金になること | 例:文章添削、インタビューライティング、言語化サポート |
ステップ2:重なりを探す
4つの円を眺めて、共通するキーワードを探してください。
例:「言葉」「整理」「伝える」→ 「人の思いを言葉にする」が自分のIkigaiかもしれない
ステップ3:足りない部分を確認する
- 「好き × 得意」はあるけど、「お金になる」がまだ見えない → 小さく試して反応を見る
- 「得意 × 稼げる」はあるけど、「好き」じゃない → 本業と同じ苦しさになるかも。要検討
複業は「バランス」で考える → 二者択一ではない
今回のポイントは、「好きか稼げるか」の二者択一ではないということです。
「好き」だけを追いかけると、趣味のまま終わる。「稼げる」だけを追いかけると、本業と同じ苦しさになる。
4つの要素をバランスよく考えることで、「心から満足できて、長く続けられる複業」が見えてきます。今日の時点で4つ全部が揃わなくても大丈夫。「どこが足りないか」がわかれば、次のアクションが見えてきます。
次回予告 → 第1部まとめ「自分軸」を言葉にする
第1部も、いよいよ最終回です。
これまで探ってきた「好き」「Why Me」「手中の鳥」「機会発見」「Ikigai」。次回は、これらを統合して、自分だけの「自分軸」を言葉にする作業に挑戦します。
第6回「第1部まとめ|あなただけの『自分軸』を言葉にする」
お楽しみに。