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COLUMN 学習コンテンツ
キャリアにおいて、変化は避けられません。転職、異動、昇進、降格、組織再編、業界の構造変化。これらの「トランジション(転機)」は、誰のキャリアにも訪れます。
従来のキャリアモデルでは、トランジションは「例外的な出来事」であり、できるだけ避けるべきものとされてきました。しかしプロティアン・キャリアの視点では、トランジションは「成長の機会」です。変化を恐れず、むしろ活用することで、キャリアは発展していきます。
本記事では、キャリア・トランジション研究の知見を整理し、変化を乗り越えるための実践的な指針を提示します。
トランジション理論の基礎

ブリッジズの3段階モデル
キャリア・トランジション研究の古典として、ウィリアム・ブリッジズの「トランジション・モデル」があります(出典:ブリッジスのトランジション理論とは? — ミツカリ)。ブリッジズは、トランジションを「変化(Change)」と区別し、以下の3段階で捉えました。
第1段階:終焉(Ending)
何かが終わる段階。以前の役割、アイデンティティ、慣れ親しんだ環境との別れです。この段階では、喪失感や不安を感じることが自然です。
第2段階:中立圏(Neutral Zone)
古いものと新しいものの間にいる移行期間。不確実性が高く、混乱や不安を感じやすいですが、同時に新しい可能性が開かれる創造的な時期でもあります。
第3段階:開始(New Beginning)
新しい役割やアイデンティティを確立する段階。新しい環境に適応し、成長を実感できるようになります。
重要なのは、「変化」は外部から起きる出来事(転職、異動など)であるのに対し、「トランジション」は内面的なプロセスであるという点です。外部の変化が起きても、内面のトランジションが完了しなければ、真の適応は実現しません。
シュロスバーグの4S理論
ナンシー・シュロスバーグは、トランジションへの対処リソースを「4S」として整理しました(出典:キャリア上の転機をどう乗り越える?「シュロスバーグの4Sモデル」の活用法とは — マンパワーグループ)。
1. 状況(Situation)
トランジションの特性を評価します。自分が選んだ変化か、強いられた変化か。予期していたか、突然だったか。経験したことのある変化か、初めてか。
2. 自己(Self)
自分自身の特性を把握します。変化への耐性、楽観性、自己効力感、過去のトランジション経験など。
3. サポート(Support)
活用できる支援を確認します。家族、友人、同僚、上司、メンター、専門家(キャリアカウンセラーなど)からのサポート。
4. 戦略(Strategies)
対処のための行動を計画します。情報収集、スキル習得、ネットワーク構築、ストレス管理など。
トランジションへの適応力は、この4つのリソースの総合力で決まります。一つが弱くても、他の要素で補完できます。
トランジションの類型

予期したトランジションと予期しないトランジション
予期したトランジションには、計画的な転職、定年退職、昇進などが含まれます。事前に準備ができるため、比較的対処しやすいです。
予期しないトランジションには、解雇、降格、事業撤退、会社の倒産などが含まれます。心理的な衝撃が大きく、対処が難しいです。しかし、予期しないトランジションこそが、キャリアの大きな転換点となることも多いです。
ノン・イベント・トランジション
シュロスバーグは「ノン・イベント・トランジション」という概念も提唱しました。これは「起こると期待していたことが起こらなかった」場合のトランジションです。
例えば、期待していた昇進が見送られた、希望していた異動が実現しなかった、といったケースです。目に見える出来事が起きていないため、周囲からの理解やサポートを得にくいです。しかし本人にとっては、実際の変化と同様に大きな心理的影響を持ちます。
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