オモシゴキャリアの編集チームです。株式会社オモシゴが運営し、「一人ひとりが自分の能力を100%発揮し、働くことにワクワクできる世の中にする」というミッションのもと、複業やキャリアに関する情報をお届けしています。5Mix井戸端会議では、複業を実践している人たちのリアルな対話をそのまま記事にしています。うまくいった話だけでなく、迷いや失敗も含めて、これからの働き方を考えるヒントになる言葉を届けていきます。
COLUMN 学習コンテンツ
「何かいいアイデアないかな」
「複業のネタが思いつかない」
今日から第3部「実践プロセス編」に入ります。
第1部で「自分軸」を見つけ、第2部で「マインドセット」を整えました。いよいよ、手を動かす時間です。
ただ、いきなり「何をやるか」を考えると、行き詰まりやすい。まずは「誰のどんな課題を解決するか」を探すところから始めてみませんか。
~ 今日のお便り ~
まずは、よく届く悩みから。
「複業を始めたいけど、良いアイデアが浮かびません。
何か特別なスキルがないとダメでしょうか?」
この悩み、本当に多いです。
でも、実は「良いアイデア」の前に「良い課題」があるんです。
どんなに素晴らしいアイデアでも、誰の役にも立たなければ意味がない。逆に、切実な課題を見つけられれば、解決策は後からついてくることが多いんですよね。
「課題」と「解決策」を分けて考える
複業を始めようとするとき、多くの人は「何をやるか(解決策)」から考えます。
- 「Webデザインを学んで仕事にしよう」
- 「ライティングのスキルを磨こう」
- 「コンサルタントになりたい」
もちろん、これも一つのアプローチです。
でも、もう一つの入り口があります。それは、「誰のどんな悩みを解決するか(課題)」から考えること。
| アプローチ | 出発点 | 注意点 |
|---|---|---|
| 解決策から | 「何ができるか」 | 顧客がいないと仕事にならない |
| 課題から | 「誰が困っているか」 | 解決できるスキルがなくても探せる |
課題から入ると、「この人たちのために、自分には何ができるか?」という問いに変わる。すると、手持ちのスキルの活かし方も見えてきます。
ある参加者の話 → 商工会議所で課題を聞く
ここで、一つのケースを紹介します。実際にいただいたご相談をもとに再構成した、架空の参加者の話です。
登場するのは50代の男性。元製造業で品質管理をしていて、統計分析が得意。研修講師として独立したいと考えていました。
最初は「統計を教える研修」を売り込もうとしていました。でも、なかなか引き合いが来ない。
そこで彼が取った行動は、「商工会議所に行って、中小企業がどんなことで困っているか聞いてみる」こと。
「相談から始める営業」です。売り込みではなく、まず課題を聞く。
すると、「データはあるけど、見方がわからない」「勘と経験だけで判断している」という悩みが多く聞こえてきました。
彼の「統計分析」というスキルは、そのまま売り込んでも響かなかった。でも、「データの見方がわからない」という課題に対する解決策として提示したら、「それ、まさに欲しかった」と言われるようになりました。
スキルは同じ。でも、課題から入ることで、伝わり方が変わったという例です。
この経験から彼は、今ではデータを活用した経営改善の支援を、中小企業向けに提供しています。課題を聞くことから始めたからこそ、本当に求められる形でスキルを届けられるようになったんですね。
このケースが教えてくれるのは、「スキルを売るのではなく、課題の解決を売る」という視点の大切さ。同じスキルでも、相手の課題に合わせて言葉を変えるだけで、伝わり方がまったく変わるということです。
課題を見つける3つの方法
では、どうやって「良い課題」を見つけるか? 3つの方法をご紹介します。
1. 自分の過去の悩みを振り返る
自分自身が「困った」「苦しんだ」経験。それは、同じ状況にいる人の課題でもあります。第2回でやった「Why Me」と繋がりますね。
特に「解決できた経験」は宝物です。自分が乗り越えてきた道のりが、そのまま誰かのガイドになります。過去の自分を救うつもりで、サービスを設計してみるのも一つの方法です。
2. 身近な人の話を聞く
家族、友人、同僚。「最近、何か困っていることある?」と聞いてみる。日常会話の中に、課題のヒントが隠れていることがあります。
この時、相手の言葉をそのままメモしておくといいでしょう。「〇〇で困っている」という言葉は、後でサービスを説明する時にそのまま使えます。顧客の言葉で課題を語れると、共感を生みやすいんです。
3. 専門家に聞く
商工会議所、キャリアコンサルタント、業界の先輩。私の見てきた範囲では、彼らは「どんな人がどんなことで困っているか」をよく知っていると感じます。
特に商工会議所や地域の支援機関は、相談を受けることが多いので、リアルな課題情報の宝庫です。「最近どんな相談が多いですか?」と聞いてみるだけでも、ヒントが見つかることがあります。
落とし穴:「大きな課題」を探さなくていい
ここでよくある落とし穴があります。
「社会課題を解決する」「世の中を変える」。そういう大きなことを考えすぎて、動けなくなる人が多いんです。
最初は、「目の前の一人が困っていること」で十分。
「隣の人の小さな悩みを解決する」。そこから始めて、少しずつ広げていけばいいんです。
大きな社会課題に取り組むことが悪いわけではありません。ただ、最初からそれを目指すと、「自分にできるだろうか」と足がすくんでしまうことが多いのも事実。
目の前の一人が笑顔になる。それが10人になり、100人になる。その積み重ねが、結果的に大きな変化を生むこともあるんです。
「世界を変える」のではなく、「誰か一人の世界を変える」。そこから始めれば、最初の一歩が軽くなります。
今日からできるワーク(記入例つき)
紙でもスマホでもOK。10分で書いてみましょう。
記入例
| 問い | 答え |
|---|---|
| 自分が過去に困ったこと | 例:転職活動のとき、職務経歴書の書き方がわからなかった |
| 身近な人が困っていそうなこと | 例:後輩が「何から手をつけていいかわからない」と言っていた |
| その課題を解決するために、自分ができそうなこと | 例:職務経歴書の添削、優先順位の整理を手伝う |
あなたの番
| 問い | あなたの答え |
|---|---|
| 自分が過去に困ったこと | |
| 身近な人が困っていそうなこと | |
| その課題を解決するために、自分ができそうなこと |
このワークは一度やったら終わりではありません。定期的に振り返って、新しい課題を探してみましょう。まわりには、まだ気づいていない課題がたくさん眠っているかもしれません。
「課題」を見つけることが、複業の出発点です。
次回予告
課題が見えてきたら、次は「誰のための複業か」をもう少し具体的にしていきます。
ぼんやりした「ターゲット」ではなく、「顔の見える一人」をイメージする方法とは?
第14回「『最初の顧客』は身近な人から」
お楽しみに。