オモシゴキャリアの編集チームです。株式会社オモシゴが運営し、「一人ひとりが自分の能力を100%発揮し、働くことにワクワクできる世の中にする」というミッションのもと、複業やキャリアに関する情報をお届けしています。5Mix井戸端会議では、複業を実践している人たちのリアルな対話をそのまま記事にしています。うまくいった話だけでなく、迷いや失敗も含めて、これからの働き方を考えるヒントになる言葉を届けていきます。
COLUMN 学習コンテンツ
「複業を始めるなら、まず目標を立てて、詳細な計画を作らないと」
「でも、計画を立てても、その通りにいった試しがない」
今日から第2部「マインドセット編」に入ります。
第1部では「自分軸」を言葉にしました。でも、軸があっても「じゃあ、どうやって動けばいいの?」というところで止まってしまう人は多いです。
そこで第2部では、不確実な時代に一歩を踏み出すための考え方をお伝えしていきます。
最初にご紹介するのは、「エフェクチュエーション」という思考法です。
~ 今日のお便り ~
まずは、よく届く悩みから。
「複業を始めたいけど、5年後10年後のビジョンが描けません。
目標がないまま動いていいんでしょうか?」
この悩み、本当に多いです。
「まず目標を立てて、そこから逆算しましょう」。学校でも会社でも、こう教わってきた人がほとんどだと思います。
でも、複業のような「新しいことをゼロから始める」場面では、そもそも未来が予測できない。5年後にどんな仕事があるかすらわからない時代です。
そんなときに役立つのが、エフェクチュエーションという考え方です。経営学者サラス・サラスバシーが、成功した起業家たちに共通する思考パターンを研究して提唱した理論です。
「逆算」と「手持ちからスタート」の違い
エフェクチュエーションは、成功した起業家の思考パターンを研究して生まれた理論です。
従来の「目標から逆算する」アプローチ(コーゼーション)とは、考え方の出発点が違います。
| 思考法 | 考え方 |
|---|---|
| コーゼーション | 目標を決めて、そこに到達するための最適な手段を選ぶ |
| エフェクチュエーション | 今、手の中にあるものからスタートし、何ができるかを考える |
コーゼーションは、未来が予測できる状況では有効です。たとえば「3年後に資格を取る」という目標なら、試験日から逆算して勉強計画を立てられる。
でも、「複業で何をやるか」は、やってみないとわからないことが多い。市場も変わるし、自分の興味も変わる。そんな状況で5年計画を立てても、計画通りにはいきません。
だから、「今ある手札で、まず小さく始める」。これがエフェクチュエーションの発想です。
ある参加者の話 → 「思いつきで動く」が強みになった
ここで、一つのケースを紹介します。実際にいただいたご相談をもとに再構成した、架空の参加者の話です。
登場するのは50代の男性。会社員として長年働いてきましたが、ここ数年は「このままでいいのか」というモヤモヤを抱えていました。
プログラムの中で、彼は自分のことをこう表現していました。
「自分は、思いつきで動いてしまうんです。計画を立てても、途中で別のことが気になって、そっちに行っちゃう。だから、キャリアもバラバラで、一貫性がないんですよね」
最初、彼はこれをネガティブな特性だと思っていました。
でも、ワークを進めていくうちに、見方が変わっていきました。
幼少期の遊びを振り返ると、「知らない場所に行くのが好きだった」。仕事でも、「新しいプロジェクトに首を突っ込むのが楽しかった」。転職も、「同じ場所にいるのが耐えられなかった」から。
バラバラに見えていた経験が、「移動」「好奇心」「新しいものへの挑戦」というキーワードで繋がったんです。
彼は最終的に、自分の特性をこう言い換えました。
「思いつきで動く」→「移動力がある」
これがエフェクチュエーション的な発想です。「計画性がない」という弱みではなく、「今ある手札を使って、まず動ける」という強みとして捉え直した。
彼はその後、この「移動力」を活かして、複数の地域をつなぐプロジェクトに関わるようになりました。一つの場所にとどまらず、複数の拠点を行き来する働き方が、彼にとっては心地よいものでした。
5つの原則
エフェクチュエーションには、5つの原則があります。今回は全体像をお伝えして、次回以降で一つずつ深掘りしていきます。
| 原則 | 考え方 |
|---|---|
| 手中の鳥 | 今持っているもの(Who/What/Whom)から始める |
| 許容可能な損失 | 失っても致命傷にならない範囲で動く |
| レモネード | 想定外の出来事を機会として活かす |
| クレイジーキルト | 周囲の人をパートナーとして巻き込む |
| 飛行機のパイロット | 未来は予測するものではなく、自ら操縦するもの |
第3回でやった「手中の鳥」も、この原則の一つでした。
大事なのは、「完璧な計画を立ててから動く」のではなく、「今あるもので小さく始めて、走りながら考える」ということ。
50ページの事業計画書を書くより、まず小さな一歩を踏み出す。その一歩が、予測不能な未来を切り拓く力になります。
今日からできるワーク(記入例つき)
紙でもスマホでもOK。5分で書いてみましょう。
記入例
| 問い | 答え |
|---|---|
| 今の自分が持っている「手段」は何? | 例:Excelが使える、人の話を聞くのが得意、前職の同僚との繋がり |
| その手段を使って、明日からできる小さなことは? | 例:前職の同僚に「最近どう?」と連絡してみる |
あなたの番
| 問い | あなたの答え |
|---|---|
| 今の自分が持っている「手段」は何? | |
| その手段を使って、明日からできる小さなことは? |
完璧な計画は要りません。「これならできそう」という小さな一歩を、一つ書き出してみてください。
次回予告
「小さく始める」と言われても、「失敗したらどうしよう」という不安が消えない人も多いと思います。
次回は、その不安を乗り越えるための考え方、「許容可能な損失の原則」をご紹介します。
第8回「失敗が怖い?『許容可能な損失』で踏み出す一歩」
お楽しみに。