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2026.09.06 複業・副業 / キャリア相談・コーチング

失敗が怖い?「許容可能な損失」で踏み出す一歩 #08 複業キャリアのヒント

失敗が怖い?「許容可能な損失」で踏み出す一歩 #08 複業キャリアのヒント

「やってみたい気持ちはある。でも、失敗したらどうしよう」
「時間もお金も無駄になったら…と思うと、動けない」

複業を始めたい人の多くが、こうした恐怖と向き合っています。

今日は、そんな失敗への恐怖を乗り越えるための考え方をお伝えします。

エフェクチュエーションの原則の一つ、「許容可能な損失の原則」。これを知っておくと、「やるか、やらないか」の判断がぐっと楽になります。

~ 今日のお便り ~

まずは、よく届く悩みから。

「複業を始めたいけど、失敗して時間やお金を無駄にするのが怖いです。
もっと準備してからのほうがいいでしょうか?」

この悩み、すごく多いです。

「失敗したくない」という気持ちは自然なもの。でも、準備を完璧にしようとすればするほど、いつまでも動けなくなる。

ここで発想を変えてみましょう。

問うべきは「この挑戦で最大いくら儲かるか?」ではありません。

「もし失敗したとして、失っても致命傷にならない範囲はどこまでか?」

この問いに変えるだけで、見え方がガラッと変わります。

「行動するリスク」と「行動しないリスク」

私たちは「行動するリスク」ばかりに目が向きがちです。

でも、実は「行動しないリスク」も存在します。

行動した場合に失う可能性があるもの

  • お金:3万円まで
  • 時間:週に5時間まで
  • 評判、プライドなど

行動しなかった場合に失うもの

  • 得られたはずの経験や学び
  • 新しい出会いやチャンス
  • 「やっておけばよかった」という後悔

この2つを天秤にかけてみると、意外な発見があります。

「チャレンジしないで失うものの方が、自分にとっては許容できない損失だ」。そう感じる人も多いのではないでしょうか。

ある参加者の話 → 「無料でいいからやらせてください」

ここで、一つのケースを紹介します。実際にいただいたご相談をもとに再構成した、架空の参加者の話です。

登場するのは40代の会社員。自分のオリジナルワークショップを作りたいと思っていましたが、「お金を取れるレベルじゃない」「失敗したら恥ずかしい」と、なかなか動けずにいました。

講座内で私が「まず小さく試してみては?」と提案すると、彼はこう答えました。

「でも、準備が完璧じゃないと…」

その気持ちはよくわかります。でも、彼は勇気を出して小さな一歩を踏み出しました。

「友人のイベントの片隅で、無料でワークショップをやらせてもらう」。そんな控えめなスタートでした。

看板もない。集客もしない。たまたま通りかかった人が数人参加してくれるだけ。

でも、実際にやってみたら、参加者の一人が涙を流して喜んでくれた。

「今まで誰にも言えなかったことが、言葉になりました。ありがとうございます」

その声を聞いた瞬間、彼の中で何かが変わりました。

「この手応えがあれば、次はもう少し本格的にやれる」

彼はその後、少しずつ規模を広げていきました。今では有料のワークショップを定期開催し、リピーターも増えています。

この行動で彼が失ったものは何か? 半日の時間と、交通費くらい。致命傷には程遠い。

でも、得たものは大きかった。「これでいいんだ」という確信です。

参加者から「こういうのを待っていた」という声をもらい、彼は自信を持って次のステップに進めました。彼の言葉を借りれば、こうです。

「あのとき、完璧を求めて動かなかったら、今の自分はなかったと思います。最初の一歩が、本当に大事でした」

落とし穴 → 「完璧な準備」を求めすぎない

ここでよくある落とし穴があります。

「もっと準備してから」「もう少し勉強してから」。そう思っているうちに、1年、2年と過ぎてしまう。

準備は大事です。でも、「完璧な準備」はなかなか来ないものです。

たとえば、こんな声をよく聞きます。

「もっと勉強してから」「資格を取ってから」「スキルが身についてから」。そう考えて、1年、2年と過ぎていく。

その間に何が起こるか?

時代も、市場も、自分自身の状況も変わってしまう。せっかく準備したことが、スタートする頃には古くなっていることだってあります。

実際、複業の成功に必要なスキルの多くは、「やってみて初めてわかる」ことばかりです。顧客が本当に求めているもの。効果的な伝え方。自分に向いている活動スタイル。これらは、机上の勉強だけでは身につきません。

だからこそ、許容可能な損失の範囲で、「まず小さく試す」。そこで得たフィードバックをもとに、次の一歩を考える。

この繰り返しが、複業を前に進める一番の近道です。

「許容可能な損失」の具体例

どのくらいが「許容可能」かは、人によって違います。参考までに、よくある例を挙げておきます。

リソース許容可能な範囲の例
お金月1万円まで(趣味の予算程度)
時間週3時間(通勤時間や昼休み)
評判匿名でSNS発信(本名は出さない)
心理的負担知り合い3人に話すだけ

最初から「人生を賭けた大勝負」をする必要はありません。「失っても笑っていられる範囲」で始めればいいんです。

今日からできるワーク(記入例つき)

紙でもスマホでもOK。10分で書いてみましょう。

記入例

項目答え
やってみたいこと例:キャリア相談のサービス
チャレンジした場合に失う可能性があるもの例:準備に使う週末の時間、オンラインツールの月額費用
チャレンジしなかった場合に失うもの例:「やってみたかった」という後悔、経験を積む機会
許容できる損失の範囲で始められる小さな一歩例:知り合い3人に「無料で相談に乗らせて」と声をかける

あなたの番

項目あなたの答え
やってみたいこと
チャレンジした場合に失う可能性があるもの
チャレンジしなかった場合に失うもの
許容できる損失の範囲で始められる小さな一歩

書いてみると、「これくらいなら、失敗しても大丈夫か」と思えることがあります。

そして、その「小さな一歩」を踏み出したとき、あなたの複業は動き始めます。完璧でなくていい。まずは、失っても笑っていられる範囲で、やってみる。それが、すべてのスタートです。

次回予告

「許容可能な損失」で小さく始めても、計画通りにいかないことはあります。想定外のトラブル、予期せぬ失敗。

でも、それをチャンスに変える考え方があります。

次回は、逆境を味方につける「レモネードの原則」をご紹介します。

第9回「想定外はチャンス?『レモネードの原則』で偶然を味方に」

お楽しみに。

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