オモシゴキャリアの編集チームです。株式会社オモシゴが運営し、「一人ひとりが自分の能力を100%発揮し、働くことにワクワクできる世の中にする」というミッションのもと、複業やキャリアに関する情報をお届けしています。5Mix井戸端会議では、複業を実践している人たちのリアルな対話をそのまま記事にしています。うまくいった話だけでなく、迷いや失敗も含めて、これからの働き方を考えるヒントになる言葉を届けていきます。
COLUMN 学習コンテンツ
「やってみたい気持ちはある。でも、失敗したらどうしよう」
「時間もお金も無駄になったら…と思うと、動けない」
複業を始めたい人の多くが、こうした恐怖と向き合っています。
今日は、そんな失敗への恐怖を乗り越えるための考え方をお伝えします。
エフェクチュエーションの原則の一つ、「許容可能な損失の原則」。これを知っておくと、「やるか、やらないか」の判断がぐっと楽になります。
~ 今日のお便り ~
まずは、よく届く悩みから。
「複業を始めたいけど、失敗して時間やお金を無駄にするのが怖いです。
もっと準備してからのほうがいいでしょうか?」
この悩み、すごく多いです。
「失敗したくない」という気持ちは自然なもの。でも、準備を完璧にしようとすればするほど、いつまでも動けなくなる。
ここで発想を変えてみましょう。
問うべきは「この挑戦で最大いくら儲かるか?」ではありません。
「もし失敗したとして、失っても致命傷にならない範囲はどこまでか?」
この問いに変えるだけで、見え方がガラッと変わります。
「行動するリスク」と「行動しないリスク」
私たちは「行動するリスク」ばかりに目が向きがちです。
でも、実は「行動しないリスク」も存在します。
行動した場合に失う可能性があるもの
- お金:3万円まで
- 時間:週に5時間まで
- 評判、プライドなど
行動しなかった場合に失うもの
- 得られたはずの経験や学び
- 新しい出会いやチャンス
- 「やっておけばよかった」という後悔
この2つを天秤にかけてみると、意外な発見があります。
「チャレンジしないで失うものの方が、自分にとっては許容できない損失だ」。そう感じる人も多いのではないでしょうか。
ある参加者の話 → 「無料でいいからやらせてください」
ここで、一つのケースを紹介します。実際にいただいたご相談をもとに再構成した、架空の参加者の話です。
登場するのは40代の会社員。自分のオリジナルワークショップを作りたいと思っていましたが、「お金を取れるレベルじゃない」「失敗したら恥ずかしい」と、なかなか動けずにいました。
講座内で私が「まず小さく試してみては?」と提案すると、彼はこう答えました。
「でも、準備が完璧じゃないと…」
その気持ちはよくわかります。でも、彼は勇気を出して小さな一歩を踏み出しました。
「友人のイベントの片隅で、無料でワークショップをやらせてもらう」。そんな控えめなスタートでした。
看板もない。集客もしない。たまたま通りかかった人が数人参加してくれるだけ。
でも、実際にやってみたら、参加者の一人が涙を流して喜んでくれた。
「今まで誰にも言えなかったことが、言葉になりました。ありがとうございます」
その声を聞いた瞬間、彼の中で何かが変わりました。
「この手応えがあれば、次はもう少し本格的にやれる」
彼はその後、少しずつ規模を広げていきました。今では有料のワークショップを定期開催し、リピーターも増えています。
この行動で彼が失ったものは何か? 半日の時間と、交通費くらい。致命傷には程遠い。
でも、得たものは大きかった。「これでいいんだ」という確信です。
参加者から「こういうのを待っていた」という声をもらい、彼は自信を持って次のステップに進めました。彼の言葉を借りれば、こうです。
「あのとき、完璧を求めて動かなかったら、今の自分はなかったと思います。最初の一歩が、本当に大事でした」
落とし穴 → 「完璧な準備」を求めすぎない
ここでよくある落とし穴があります。
「もっと準備してから」「もう少し勉強してから」。そう思っているうちに、1年、2年と過ぎてしまう。
準備は大事です。でも、「完璧な準備」はなかなか来ないものです。
たとえば、こんな声をよく聞きます。
「もっと勉強してから」「資格を取ってから」「スキルが身についてから」。そう考えて、1年、2年と過ぎていく。
その間に何が起こるか?
時代も、市場も、自分自身の状況も変わってしまう。せっかく準備したことが、スタートする頃には古くなっていることだってあります。
実際、複業の成功に必要なスキルの多くは、「やってみて初めてわかる」ことばかりです。顧客が本当に求めているもの。効果的な伝え方。自分に向いている活動スタイル。これらは、机上の勉強だけでは身につきません。
だからこそ、許容可能な損失の範囲で、「まず小さく試す」。そこで得たフィードバックをもとに、次の一歩を考える。
この繰り返しが、複業を前に進める一番の近道です。
「許容可能な損失」の具体例
どのくらいが「許容可能」かは、人によって違います。参考までに、よくある例を挙げておきます。
| リソース | 許容可能な範囲の例 |
|---|---|
| お金 | 月1万円まで(趣味の予算程度) |
| 時間 | 週3時間(通勤時間や昼休み) |
| 評判 | 匿名でSNS発信(本名は出さない) |
| 心理的負担 | 知り合い3人に話すだけ |
最初から「人生を賭けた大勝負」をする必要はありません。「失っても笑っていられる範囲」で始めればいいんです。
今日からできるワーク(記入例つき)
紙でもスマホでもOK。10分で書いてみましょう。
記入例
| 項目 | 答え |
|---|---|
| やってみたいこと | 例:キャリア相談のサービス |
| チャレンジした場合に失う可能性があるもの | 例:準備に使う週末の時間、オンラインツールの月額費用 |
| チャレンジしなかった場合に失うもの | 例:「やってみたかった」という後悔、経験を積む機会 |
| 許容できる損失の範囲で始められる小さな一歩 | 例:知り合い3人に「無料で相談に乗らせて」と声をかける |
あなたの番
| 項目 | あなたの答え |
|---|---|
| やってみたいこと | |
| チャレンジした場合に失う可能性があるもの | |
| チャレンジしなかった場合に失うもの | |
| 許容できる損失の範囲で始められる小さな一歩 |
書いてみると、「これくらいなら、失敗しても大丈夫か」と思えることがあります。
そして、その「小さな一歩」を踏み出したとき、あなたの複業は動き始めます。完璧でなくていい。まずは、失っても笑っていられる範囲で、やってみる。それが、すべてのスタートです。
次回予告
「許容可能な損失」で小さく始めても、計画通りにいかないことはあります。想定外のトラブル、予期せぬ失敗。
でも、それをチャンスに変える考え方があります。
次回は、逆境を味方につける「レモネードの原則」をご紹介します。
第9回「想定外はチャンス?『レモネードの原則』で偶然を味方に」
お楽しみに。