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2025.12.18 複業・副業 / キャリア相談・コーチング

複業はじめの一歩は「昔の遊び」に隠されてる?

複業はじめの一歩は「昔の遊び」に隠されてる?

「複業を始めたいけど、何をやればいいのかわからない」
「強みもスキルも、いまさら何があるのか…」

今日から始まるこの連載では、「自分だけの複業キャリア」を見つけるヒントをお届けしていきます。

第1回のテーマは、意外かもしれませんが「昔の遊び」。あなたのキャリアのタネは、幼いころに夢中になった遊びの中に埋まっているかもしれません。

ただし、誤解してほしくないのは「遊び=そのまま職業」ではないということ。遊びは、職業の”答え”というより、あなたの価値観や動機の”ヒント”です。今日はその見つけ方を、具体的な手順に落としていきます。

~ 今日のお便り ~

まずは、よく届く”心の声”から。

「複業に興味はあるけど、やりたいことがないんです。強みもスキルも、いまさら何があるのか…」

この悩み、めちゃくちゃ多いです。でも、ここでいきなり「強み診断」や「市場調査」に飛び込むと、しんどくなりがちなんですよね。

なぜなら、複業は”続ける”ことが一番難しいからです。続けるには、外から与えられる動機よりも、内側から湧く動機——いわゆる内発的なモチベーションが強い味方になります。

心理学の自己決定理論では、人が自発的に動きやすい条件として「自律性(自分で選んでいる感覚)」「有能感(できる感覚)」「関係性(つながっている感覚)」が重要だと整理されているようです。そして「遊び」は、まさにこの”自分で選ぶ・没頭する”感覚が最初から入っている行為です(だからヒントになりやすい)。

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なぜ「遊び」なのか → キャリアの原点が出やすい

子どもの頃の遊びって、誰かに命令されてやるものじゃないですよね。評価も点数も、基本的にありません。やめたければ、いつでもやめられる。

それでも続く遊びには、あなたの中に「これ、好き」「これ、たまらない」という燃料が入っています。

小児の発達の観点でも「遊び」は単なる息抜きではなく、学びや発達を支える重要な活動として整理されているという話もあります。要は、遊びは“あなたの取扱説明書”が浮き出やすい素材なんです。

ある参加者の話「手作り新聞」が仕事に

ここで、一人の参加者の話をさせてください。

その方は40代の女性。会社では事務職で、特別なスキルがあるとは思っていませんでした。

「子どもの頃、友達の誕生日に手作りの”新聞”を作って配ってたんです。『〇〇さん特集号!』みたいな感じで」

当時は単なる遊び。でも社会人になってからも、「会議の議事録がわかりやすい」と妙に褒められる。

これ、表面的には別物ですが、共通点ははっきりしています。“人のために情報を編集して、届ける”です。

彼女はこの気づきから、複業の方向性を見つけました。今は、小さなお店の告知文を整えたり、SNS発信が苦手な人の「伝える」を支えたりしています。

「新聞を作る」という遊びが、形を変えて仕事になった例です。

「アソビジョン・クエスト」3ステップで掘り出す

この探求は「アソビジョン・クエスト」と呼ばれるワークのひとつです。ポイントは「遊びの内容」を思い出すことではなく、そのとき何に心が動いたかを言語化すること。

ステップ1:3つの時代で”遊び”を書き出す

まずは、ざっくりでOKです。

幼少期(〜12歳):鬼ごっこ、工作、ブロック、昆虫採集、まんがを描く…
青春期(13〜18歳):部活、ゲーム、バンド、動画編集、文化祭…
成人期(19歳〜):旅行、料理、筋トレ、イベント企画、友人との会話…

ステップ2:「楽しかった理由」を”動詞”で書く

ここが核心です。「何をしたか」ではなく、「どういう状態が快だったか」を動詞で抜きます。

例:

  • つくる/組み立てる/編集する
  • 伝える/演じる/盛り上げる
  • 集める/並べる/分類する
  • 競う/攻略する/記録する
  • 観察する/深掘る/検証する

ステップ3:共通点を”ひとこと”に圧縮する

最後に、ステップ2で出てきた動詞を眺めて、共通するテーマを1行にします。

例:

  • 「人の反応を見ながら場を温めるのが好き」
  • 「複雑なものをわかりやすく整えるのが好き」
  • 「小さな改善を重ねて完成度を上げるのが好き」

この1行が、複業の方向性(価値提供の型)になります。

落とし穴 → 「好き」を”職業名”にしなくていい

ここでよく詰まるのが、「遊びがゲームだったから、ゲーム業界に行くべき?」みたいな”短絡”です。

遊びから拾うのは、業界ではなく満たされる感覚。たとえばゲームでも、

例:

  • 勝つのが好き(競争)
  • 探索が好き(未知への好奇心)
  • 最適化が好き(改善)

で、向く複業は変わります。

だから、答えを急がなくて大丈夫。まずは”感覚の言語化”が先です。

今日からできるワーク(記入例つき)

紙でもメモアプリでもOK。10分でやってみましょう。

記入例

時代熱中した遊び楽しかった理由(動詞)
幼少期まんがを描く表現する/笑わせる
青春期文化祭の企画盛り上げる/巻き込む
成人期友人の相談に乗る聞く/整理する

最後に、共通点を1行にすると——
「人の気持ちを汲み取りながら、場を整えて前に進めるのが好き」

これ、立派な複業の”核”です。たとえば「話を聞いて整理する」だけでも、最初の一歩になります。

あなたの番

時代熱中した遊び楽しかった理由(動詞)
幼少期
青春期
成人期

共通点を1行で

次回予告

遊びから”核”を掘り当てたら、次はそれを「なぜ自分がやるのか」というストーリーに変換します。

第2回「なぜ私か?」──あなたのストーリーが最強の武器になる

お楽しみに。

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